東京都、猛暑・物価高対策で水道基本料金の無償化を検討 一般家庭対象に今夏数カ月間

東京都が今夏、猛暑対策および物価高対策の一環として、都水道局の供給地域にある一般家庭を対象に、水道の基本料金を無償化する方向で検討を進めていることが19日、都幹部への取材で明らかになった。対象は数カ月間を想定しており、同局が供給していない多摩地域の3市1村や島しょ部についても、都が財政負担する形で同様の措置が講じられる見通しだ。

昨年夏、東京都内では熱中症による搬送者数が過去最多を記録。今年も猛暑が予想される中、電力使用を抑えるのではなく、冷房使用を促す狙いで水道料金の負担軽減策が浮上。無償化の対象はあくまで「基本料金」であり、使用量に応じた「従量料金」の減免は行わない方針。

現在、都内には約772万世帯(4月1日時点)があり、一般家庭向けの1カ月の基本料金は860~1460円(税別)程度。減免に必要な財源は今後検討される予定だ。

水道事業は一般的に基礎自治体や広域事務組合が担っている。新型コロナウイルスの流行や物価高騰を受けて、市町レベルで料金を一部減免した例はあるが、都道府県単位での減免は珍しい。

19日には、自民党、公明党、都民ファーストの会の各会派が小池百合子知事に対し、暑さ対策として一般家庭向けの水道基本料金の無償化を申し入れた。6月の都議選や直後の参院選を控え、各会派と小池氏の方向性が一致したとみられる。

東京都は税収が好調であることを背景に、高校授業料や保育料、公立小中学校の給食費の実質無償化を先行して実施しており、周辺県から格差を指摘された経緯もある。今回の措置についても、地域間格差の拡大を懸念する声が上がる可能性がある。

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