日本時間2025年8月2日0時43分、米国ケネディ宇宙センター第39A発射台からクルードラゴン宇宙船運用11号機が打ち上げられた。搭乗する油井亀美也宇宙飛行士を含む計4名のクルーは、同日15時27分頃に国際宇宙ステーション(ISS)へ自動ドッキングを完了。全員が無事にステーション内へ入室し、約半年間の長期滞在ミッションが正式にスタートした。
油井宇宙飛行士は2度目となるISS長期滞在中、まず「きぼう」日本実験棟を拠点に二酸化炭素除去技術の軌道上実証実験を実施予定だ。将来の有人月探査や地球低軌道活動に向け、新型CO₂除去システムの性能評価を行う。
また教育プログラムとして、第6回「きぼう」ロボットプログラミング競技会や「アジアントライゼロG2025」など、アジア各国の学生が開発した実験テーマを無重力環境で試すミッションも計画されている。これらの成果は地上とのライブ中継を通じて若い世代の科学技術への関心を高めることが期待される。
阿部大臣は打ち上げ成功を受けた談話で、「油井宇宙飛行士には任務を着実に遂行し、『きぼう』実験棟で得られる知見を最大化してほしい。その成果が将来の宇宙探査計画に継承されることを期待する」と述べた。今回の成功により、日本の有人宇宙活動は次の段階へと踏み出した。
