朝鮮半島の緊張と「新冷戦」構造を討論 - 朝鮮大学校で専門家が意見交換

2024年11月2日、東京・小平市の朝鮮大学校にて、朝鮮半島情勢および大国間の対立が深まる「新冷戦」とも称される現状についての公開討論会が開催された。本討論会は、朝鮮大学校内の研究機関「朝鮮問題研究センター」によって主催され、国際政治、安全保障の専門家や中国・北朝鮮問題に詳しい研究者が集まり、意見を交わした。

朝鮮大学校教授の李柄輝氏は、北朝鮮のロシアとの軍事的結びつきや韓国を「敵国」として対峙する政策について、北朝鮮が自国の安全を図るための「力の均衡」維持が背景にあると指摘。さらに、韓国全域を戦略兵器の射程に入れることで、米国への抑止力を確保する意図もあると分析した。

また、准教授の廉文成氏は、日朝関係や米朝交渉での「力による圧力」に疑問を呈し、北朝鮮を「合理的な国家」として捉え、外交交渉を進める必要があると主張。日本が過去の清算や朝鮮学校の無償化問題に取り組むことが、関係改善の糸口になると述べた。

さらに、中国問題に詳しい東洋学園大学の朱建栄教授は、アメリカがアジア太平洋地域で主導する「中国包囲網」について、「新冷戦」の構造が形成されつつあると指摘し、中国は冷戦構造を回避しながら、長期的にアメリカの覇権を弱体化させる戦略を取っていると分析した。

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