早期英語教育、本当に必要なのか

近年、早期英語教育は日本や韓国で一種の「常識」となっている。親たちは、子どもたちが小さい頃から英語を学ぶことが将来の競争力に欠かせないと信じ、英語幼稚園、放課後の英語教室、さらには英語キャンプまでさまざまな教育機会を提供している。しかし、本当にこのような早期英語教育が子どもの未来に有益なのであろうか。

日本で日本人の夫とともに二人の子どもを育てている筆者の経験から見ると、この風潮に疑問を感じる部分が多い。家では主に韓国語で子どもと話していたが、子どもたちが小学校に入ると、日常生活のほとんどが日本語に支配されるようになった。そんな中、英語の勉強まで始めるべきか悩んでいた筆者は、子どもが通っていた保育園のカザフスタン出身の言語学者に相談した。彼女は「母国語がまだ確立していない段階で外国語を教える必要はない」ときっぱり言ったのである。

その理由はシンプルだった。母国語が十分に発達していない段階で外国語を学ぶことは、効果が薄いだけでなく、子どもに混乱やストレスを引き起こす可能性が高いということだった。このアドバイスを受けて、筆者は英語教育へのプレッシャーから解放され、子どもの母国語発達に集中することにした。

筆者の長女は小学校卒業後、中学校進学前の期間に中学英語の教科書を一緒に読みながら、英語の基本構造を理解することに専念した。ここで重要だったのは、英語の深い文法学習ではなく、英語がどのように成り立っているか、その全体像をつかむことだった。英語の複雑な文法用語に囚われず、その文法がなぜ存在するのか、どんな場面で使われるのかを説明したことで、子どもは英語に対する興味を抱くようになった。そして、中学2年生になって初めて、自ら英語塾に通いたいと言い出したのである。

その後、子どもは自発的に英語字幕付きの映画を見て、楽しみながら英語を学び始めた。ここで筆者が改めて実感したのは、外国語学習において最も重要なのは、子ども自身の興味とモチベーションであり、これは母国語がしっかりと身についた後に自然と湧き上がるものであるということだ。

言語はあくまでコミュニケーションのツールに過ぎない。重要なのは、子どもがその言語を学ぶ過程でプレッシャーを感じず、母国語と外国語の両方で楽しさを見つけられることである。早期英語教育に対する焦りを捨て、まずは子どもが母国語でしっかりと意思疎通できるようにサポートすることが最優先されるべきだ。そして、子どもが自ら外国語の必要性を感じたとき、その時点から学び始めても決して遅くはない。

親たちが早期英語教育に費やす時間とお金を少しでも減らし、その分を子どもと過ごす大切な時間に使ってほしいと願う。

ソン ウォンソ
秀明大学学校教師学部 専任講師

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