チケット販売の低迷と建設遅延に直面
大阪・関西万博の開幕まで残り3カ月となった。1970年以来2度目の大阪開催となる今回の万博は、多くの注目を集める一方、チケット販売不振やパビリオン建設の遅延など、解決すべき課題が山積している。
期待高まる夢洲での開催
万博会場への唯一の鉄道アクセスとなる「夢洲駅」が開業し、万博期間中には1日最大13万人の利用が見込まれている。158の国と地域が参加する今大会では、日本の観測隊が南極で採取した「火星の石」や「空飛ぶクルマ」など、未来を感じさせる展示が注目を集めている。
石破茂総理大臣は視察時に、「未来の日本に夢を持てる機会となる」と強調。会場には大きな期待が寄せられている。
チケット販売目標に苦戦
しかし、運営費約1160億円の多くを依存する入場チケットの販売は難航している。前売り券目標1400万枚に対し、1月15日時点での販売は半分程度にとどまる。大阪府の吉村知事も「目標達成は非常に厳しい」と認める。
さらに、事前予約制やID登録など、外国人観光客には煩雑に映る購入プロセスが不満を招いており、チケット販売戦略の見直しが急務とされている。
パビリオン建設の遅延
加えて、パビリオン建設の遅れも深刻だ。42の施設のうち完成が表明されたのはわずか3カ国にとどまる。国際博覧会事務局のケルケンツェス事務局長は「遅延は常だが、全ての施設が開幕までに間に合う」との見解を示したが、実際の進捗に不安が残る。
未来への希望と現実の課題
未来への期待と現実の課題を抱える大阪・関西万博。残り3カ月の間にいかに問題を克服し、来場者に「もう一度来たい」と思わせる体験を提供できるかが鍵となる。
関係者の努力が試される中、万博は開幕の時を迎えようとしている。
