横浜市保健所は29日、土用の丑(うし)の日だった24日から25日にかけ、京急百貨店(同市)の地下1階の食品売り場で「日本橋鰻伊勢定」が販売したうなぎ弁当などを食べた客計130人が下痢や嘔吐(おうと)などを発症する食中毒を起こしたと明らかにした。90代女性が死亡したが、因果関係ははっきりしていない。大半は軽症という。
保健所は、販売した料理店経営会社「伊勢定」(東京)にある飲食店、京急百貨店には地下1階の店舗や、弁当や総菜を作るために貸し出した調理場などの営業禁止処分をそれぞれ出した。
保健所によると24〜25日、弁当やかば焼きなど、少なくとも1500食以上を販売。これらを食べた一部の人の便から下痢や嘔吐などの原因となる黄色ブドウ球菌が検出された。食材やまな板を拭き取った検体を検査し、菌が混入した経緯を調べる。
京急百貨店の金子新司社長は29日午後に記者会見し「深くおわび申し上げる。原因究明に全力を尽くし、再発防止の取り組みを徹底する」と話した。
会見に同席した伊勢定側によると、調理を担当していた従業員の健康状態に問題はなかった。手袋をするよう義務付けられていた調理場の担当者もいたが、全員が着用していなかった。
京急百貨店は、28日午後8時時点で147人から被害の情報が寄せられているとしている。
うなぎ弁当食中毒事件に関する要点
- 事件発生:24日から25日、京急百貨店の「日本橋鰻伊勢定」で販売されたうなぎ弁当
- 被害状況:130人が食中毒症状を訴え、90代女性が死亡(因果関係不明)
- 原因物質:黄色ブドウ球菌が検出
- 販売数:1500食以上
- 営業停止処分:京急百貨店地下1階店舗、伊勢定の飲食店および調理場
- 謝罪と対策:金子社長が記者会見で謝罪、原因究明と再発防止の取り組みを約束
- 手袋未着用:調理担当者が手袋を着用していなかったことが判明
