禁煙の万博に「モクモク」 ルール形骸化に懸念の声も

2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博の会場で、全面禁煙のはずのエリアに灰皿が設置され、来場者が喫煙する姿が確認された。公式キャラクター「ミャクミャク」ではなく、「モクモク」と紫煙を漂わせる人々の存在に、ルールの形骸化を危惧する声が上がっている。

会場内は原則禁煙とされており、喫煙希望者は東ゲート外の2カ所に設置された喫煙所を利用する決まりとなっている。しかし、12日に行われた開会式取材で大阪市此花区・夢洲の会場に初めて足を運んだ記者が目にしたのは、ある外国パビリオン2棟の間の通路に設置された赤い「すいがら入」と書かれた灰皿だった。

段ボールに書かれた掲示には「関係者以外の使用は禁止」との注意書きがあったが、実際には外国人らしき人物や日本人男性がその場でたばこを吸っていた。男性の一人は「工事期間中ならいいんじゃないの?」と禁煙規則を軽視するような発言もしていた。

日本国際博覧会協会の担当者はこの事態について、「現時点で事実関係が不明のため、コメントはできない」と述べた。

さらに、会場では安全面への不安も続いている。6日にはメタンガスが高濃度で検知され、2024年3月には会場西側「グリーンワールド工区」のトイレ配管下にメタンガスが充満し、爆発事故が起きた過去もある。こうした経緯を踏まえ、喫煙による火災リスクを警戒する声も高まっている。

世界からの注目を集める国際イベントである大阪・関西万博。安全管理とルール遵守の徹底が、改めて問われている。

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