[コラム] 大学留学生3割時代に向けて日本が備えるべき課題

少子化に伴う学齢人口の減少と国際競争力強化に対応するため、日本は大学改革と外国人留学生の受け入れ拡大に本格的に乗り出している。現在、日本の大学学部生における外国人留学生の割合は約3%にとどまり、OECD平均(約5%)にも達していない。政府は、まずこの比率をOECD平均水準まで引き上げ、人口減少による将来リスクに備える基盤整備に注力している。

日本は1983年から留学生受け入れ政策を本格化させ、2003年に「10万人計画」を達成、2008年には「30万人計画」を推進し、2019年頃には実際に30万人を超える留学生を受け入れるに至った。新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に減少したものの、現在は回復基調にあり、政府は2033年までに40万人の留学生受け入れを目指している。

しかし、課題も依然として明確である。2023年時点において、日本の高等教育機関に在籍する留学生の約90%がアジア出身者であり、なかでも中国出身者が46.6%を占め、半数近くに達している。特定地域への偏重を是正し、非アジア圏からの留学生受け入れを拡大することは、真の国際化に向けて不可欠な課題である。

現在、留学生数が最も多い大学は早稲田大学(5,560人)、東京大学(4,658人)、立命館大学(3,027人)である。筆者が所属する秀明大学にも多くの留学生が在籍している。キャンパスには多国籍の雰囲気が漂っているが、それだけで国際化が達成されるわけではない。

特に深刻なのは、英語による授業実施体制および担当教員の不足である。日本語のみで行われる講義は、留学生の学修理解を阻む要因となっており、英語による授業の拡充は国際化推進の基本条件であるにもかかわらず、現場では依然として十分に整備されていないのが実情である。

また、留学生をめぐる社会的認識の問題も根深い。日本社会では今なお、留学生を「一時的な滞在者」とみなす傾向が強く、留学生たちは学業面のみならず日常生活においても孤立感を抱きやすい。卒業後の日本国内での定着も容易ではないのが現状である。

日本政府は「留学生にあふれるキャンパス」の実現を掲げ、英語授業の拡大、宗教・文化的多様性への配慮(ハラール食やベジタリアン対応など)、住居支援強化などの施策を打ち出している。しかし、これらの方針を単なるスローガンに終わらせず、大学・地域社会の隅々にまで浸透させることが鍵となる。

一方、韓国は日本に先行して留学生比率の拡大に取り組んでいる。2024年時点で、韓国の外国人留学生数は約20万8千人に達し、大学生全体の約6%を占める。漢陽大学(6,612人)、慶熙大学(6,395人)、成均館大学(5,472人)などが積極的に留学生を受け入れており、韓国政府は「Study Korea 300K」プロジェクトを掲げ、2027年までに30万人の留学生誘致を目指している。

韓国もまた、ビザ制度の緩和、滞在支援の拡充、海外広報の強化などに取り組んでいるが、ビザ制度の限界、韓国語の言語障壁、就職支援の不足といった課題が依然として存在しており、量的拡大と並行した質的支援の強化が求められている。

日本の人口は2065年までに現在の約70%に減少すると推計されている。人口減少時代において、留学生は単なる一時的な存在ではなく、日本と韓国双方にとって極めて重要な人的資源である。今後は、留学生を「未来を共に築くパートナー」として認識し、教育・就労・生活全般にわたる受け入れ体制を実質的に整備していくことが喫緊の課題である。

国際化はスローガンではない。実質的な変革を通じて、留学生と共に成長する社会を築くべき時が来ている。


ソン ウォンソ(Wonsuh Song, Ph.D.)
秀明大学 専任講師 / NKNGO Forum 代表

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