東京都新宿区の高麗博物館で5月7日から、「なぜ『朝鮮人』が戦犯になったのか―戦後80年を迎えてなお続く植民地主義を問う」と題する特別企画展が開催されている。
この企画展では、第2次世界大戦後、戦勝国による東京裁判(極東国際軍事裁判)とは別に実施された、いわゆる「BC級戦犯裁判」で朝鮮半島出身者が戦犯として有罪判決を受け処刑された歴史をテーマに取り上げている。
朝鮮や台湾の出身者は日本の植民地支配下で動員され、日本軍として従軍したにもかかわらず、戦後の裁判では日本人として裁かれた一方、戦後は日本政府からの謝罪や補償もなく、厳しい差別や苦難の生活を強いられた。そのような歴史的背景を問い直すことを目的としている。
展示では、当事者の写真や手記、関連する裁判記録など貴重な資料が多数公開されており、朝鮮人戦犯の苦難と差別の実態に迫る内容となっている。
高麗博物館側は「戦後80年の節目に、日本社会に広くこの事実を伝え、植民地支配の問題を改めて考えるきっかけにしたい」としている。
企画展は9月28日まで開催される。
