生活保護引き下げ、減額総額は3000億円規模 27日に最高裁が違法性判断へ


国が2013年から2015年にかけて実施した生活保護基準額の引き下げにより、受給者が受け取れなかった総額が約3000億円に上ることが、時事通信の試算で明らかになった。27日には最高裁判所が大阪・名古屋両高裁で判断が分かれた訴訟について、初の統一判断を示す予定で、判決次第では国に多額の返還義務が発生する可能性がある。

厚生労働省によると、引き下げは2013年8月から2018年9月まで実施され、この間の受給者数は約209万人から216万人で推移した。同省の資料では、初年度の減額効果は約150億円、翌14年度が260億円、15年度も260億円とされている。

同省は16年度以降の具体的な財政効果を示していないが、受給者数の推移などから15年度並みの減額が続いたと推定され、18年度については新基準導入までの半年間として335億円が推計された。この結果、試算された減額の合計は約2900億円に達した。

大阪訴訟の原告代理人を務める小久保哲郎弁護士は「最高裁で原告側が勝訴した場合、国はすべての受給者に謝罪し、引き下げ前の基準に基づいた未払い分を支給する必要がある」と強調した。

厚労省の担当者は時事通信の試算について「厚労省として出した数字ではないが、否定する材料もない」とコメントした。

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