書店業界の倒産件数が急速に減少し、2025年1~5月は1件にとどまった。前年同期の11件を大幅に下回り、このままのペースで推移すれば年間でも過去最少を更新する見通しだ。
背景には、従来の書籍販売から脱却し、文具・雑貨の取り扱いやカフェの併設など、顧客が長時間滞在できる新たな店舗戦略への転換がある。また、学習塾との連携など付加価値を提供する販売サービスが奏功し、業績改善につながるケースが増加。2024年度に増益を記録した書店の割合は39.9%と、過去10年で2番目に高かった。
一方、業績悪化の企業は約6割に上り、経営環境は引き続き厳しい。政府も書店振興策を打ち出すなか、新たなビジネスモデルの確立が書店存続の鍵を握ることになる。
