韓国の尹錫悦前大統領が罷免されたことに伴う大統領選挙が3日に実施され、革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表（60）が当選を確実にした。3年ぶりに政権が保守系から革新系に交代する。李氏は4日未明（日本時間同）、当選を受けた演説で「軍事クーデターを二度と許さず、民主主義を回復させる」と宣言した。中央選挙管理委員会は同日午前、李氏の当選を正式に認定し、5年の任期が始まった。就任宣誓は同日午前、ソウルの国会で行われる。
尹前大統領による昨年12月の「非常戒厳」宣言が国民の強い反発を招き、李氏にとって追い風となった。李氏自身は日韓協力の重要性を繰り返し主張するが、その支持層は日本に対して厳しい見解を持つことから、今後の日韓関係は不透明だ。
貧しい家庭に生まれ、弁護士を経てソウル近郊の城南市長や京畿道知事を務めた李氏は、前回の大統領選では尹氏に僅差で敗北。その後は最大野党の代表として政権批判を続けてきた。
選挙戦中、李氏は尹政権の対日政策を「屈辱外交」と批判しつつも、「日本は重要な協力パートナー」との姿勢も示した。経済、人的交流、安全保障分野での連携維持を強調している。
ただ、李氏は現在、複数の刑事裁判を抱えており、その司法手続きが今後の政権運営の足かせになる可能性も指摘されている。
