自転車でソウルから東京まで17日間を走破した「新朝鮮通信使」ライドが11月11日、東京・芝公園で閉幕した。式典には韓国側から主催議員団と日韓議員連盟の国会議員、駐日韓国大使の李赫が出席し、日本側は衆議院議長の額賀福志郎、日韓議員連盟幹事장の長島昭久らが参加した。
ライド参加者は10月27日にソウルを出発し、慶州、釜山を経て日本へ渡航。大阪、京都を通過して東京に到着した。17日間を走り抜いた代表団の中には、芝公園でのゴールで思わず涙ぐむ姿もあった。
閉幕式を迎える現場では、2011年に大阪総領事として勤務していた際、日韓両国の国旗を胸につけて大阪国際マラソンに参加した経験を思い出す関係者もいたという。今回の事業は、かつての朝鮮通信使が遠路を辿りながら築いた交流の精神を、現代的な形で再解釈したものだ。二つの車輪が同じ速度で前進するように、両国も協調しながら前に進めるという象徴的な意味を持つ。
式典前にはNHKがインタビューを実施し、今回の交流事業の意義と、未来志向の日韓関係について見解を求めた。関係者は「通信使の精神は今の時代にも通じる。未来世代に継承すべき共同の遺産だ」と述べた。
今後の日程として、16日に韓国国会で日韓・韓日議連合同総会が開かれる。外交・安全保障分野の会議を主導する韓国側は、国交正常化60年を越えて次の60年を見据えた協力枠組みの構築を重視している。
日韓議連の幹部は、両国の国会議員が政策協力と相互理解の実務的なネットワークを広げる必要性を強調しており、今回の自転車交流事業もその一環として位置づけられている。
