韓国および海外メディアの報道によれば、朝鮮半島の連合防衛態勢の中核を担ってきた米軍の主要戦力が相次いで中東へ転用され、韓国の防衛体制に前例のない空白が生じている。
地対地ミサイルATACMSや精密誘導爆弾JDAMキット1000余発が移動したのに続き、地対空迎撃システムであるパトリオットPAC-3砲台、高高度防衛ミサイルTHAAD装備まで中東配備のため転用されたと報じられている。
さらに、群山基地に常駐していた無人攻撃機MQ-9リーパーも移動配備対象に含まれていることが明らかになった。
これらは北朝鮮の核・ミサイル脅威に対抗する韓米連合防衛の核心戦力であり、特に韓国軍が運用する「韓国型3軸体系」の中でも先制対応の要となる資産だ。
韓国型3軸体系は、キルチェーン、韓国型ミサイル防衛(KAMD)、大規模報復(KMPR)の三つの柱から構成される。このうち第1軸のキルチェーンは、北朝鮮の核・ミサイル発射の兆候をリアルタイムで探知し、発射前に先制打撃で無力化する攻撃型防衛システムである。
キルチェーンは探知から評価まで六段階のプロセスを30分以内に完了することを目標としており、高度な偵察・打撃・防空資産の統合運用が前提となる。
しかし現実には、韓国軍単独の能力ではこの連結環を完全に構築することが難しく、米軍の戦略資産が重要な役割を担ってきた。
偵察衛星や無人機による情報収集、ATACMSなどの精密打撃戦力、パトリオットやTHAADによる防空網など、米軍の装備は韓国の防衛体系に深く組み込まれている。
このため、米軍資産の大規模な転用は連合防衛体制そのものに影響を与える可能性がある。
韓国政府は2016年の北朝鮮による4回目の核実験以降、韓国型3軸体系を国防戦略の中心に据えてきた。しかし、米軍戦力の空白を韓国軍独自の能力だけで補うには依然として限界があるとの指摘が出ている。
朝鮮半島情勢が依然として不安定な中、連合防衛の中核資産が他地域へ転用される状況は、韓国の安全保障環境に新たな不確実性をもたらしている。
