アゼルバイジャン航空機墜落:「悲劇は防げた」アリエフ大統領、ロシアに過失を指摘

アゼルバイジャンのアリエフ大統領は6日、先月25日にカザフスタン西部で墜落したアゼルバイジャン航空の旅客機に関して、ロシアの防空システム運用に「過失」があったとの見解を示した。同機の墜落で亡くなった乗員の遺族や生存者との面談の場で語ったもの。

ロシア側は事故当時、目的地であった南部グロズヌイ周辺がウクライナの無人機攻撃を受けていたとし、防空システムが地上から迎撃を行っていたと説明している。しかし、旅客機が誤射された可能性については公式には否定している。

アリエフ氏は、無人機攻撃を妨害するために使用された電子戦システムの影響で旅客機が制御不能に陥り、防空システムの攻撃で損傷を受けたことは明白だと強調。さらに、ロシアが領空に危険が迫っていたにもかかわらず閉鎖しなかったことを批判した。「なぜ乗員に危険情報が伝えられなかったのか。この悲劇は防げたはずだ」と訴えた。

また、大統領は同機がトラブル発生後、カスピ海を越えカザフ西部のアクタウに向かった理由についても調査の必要性を指摘。事故当初の報道では、ロシア側が旅客機に自国領内への着陸を拒否し、アクタウに向かうよう指示したとされているが、ロシア側は「機長の判断」としている。

アリエフ氏は「ロシアによる事故の隠蔽と無責任な主張は遺族や国民にさらなる憤りをもたらしている」と述べ、ロシア側に説明責任を果たすよう求めた。また「国民の命を奪った責任はロシアにある」と断言し、事故の責任を追及する姿勢を改めて強調した。

カザフスタンの事故調査委員会は昨年末、墜落した旅客機のフライトレコーダーを製造国ブラジルに送付し、現在解析が進行中。タス通信によれば、調査の暫定結果は1カ月以内に発表される見通しという。

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