北朝鮮、韓国で反日扇動を指示—日韓関係を揺るがすスパイ活動の実態

北朝鮮が福島第一原子力発電所の処理水放出を巡り、韓国国内で反日感情を煽るようスパイ組織に指示を出していたことが判明した。韓国の水原地裁が昨年11月に国家保安法違反で実刑判決を下した際、証拠採用された指令文や報告文からこの事実が浮かび上がった。本紙は裁判所の判決文を入手し、分析を行った。

スパイ組織への具体的指令

水原地裁の判決によると、北朝鮮の韓国工作機関「文化交流局」からスパイ組織に送られた指令文は、2018年10月から2023年1月に捜査が本格化する直前まで、月1~5回の頻度で送られていた。スパイ組織のリーダーである50代の男性は、韓国最大規模の労働組合「民主労総」の幹部であり、傘下団体を統括する立場にあった。この組織は「理事会」を構え、北朝鮮からの指令に基づいて活動を展開していた。

2021年5月、日本政府が処理水放出を正式に決定した直後、北朝鮮は「反日世論を煽り、日韓対立を取り返しのつかない状況に追い込め」との具体的な指示を発出。「核テロ行為」と断罪する情報の拡散や抗議集会、日本製品の焼却といった過激な行動を求めていた。

日韓関係を悪化させる意図

当時の日韓関係は、徴用工問題を巡る文在寅政権の消極的な対応により冷え込んでいた。この状況を利用し、北朝鮮は韓国内の反日機運を高める戦術案を立案。「日本大使館周辺での抗議集会や闘争を果敢に展開することが効果的」との具体案が指令文に記されていた。

過去最多規模のスパイ事件

本事件では、北朝鮮とスパイ組織とのやり取りが過去最多規模に達し、裁判所に提出された証拠文書は指令文89件、報告文13件の計102件に上る。これらの文書は、北朝鮮が韓国国内で巧妙に反日感情を煽り、日韓関係を揺るがそうとする戦略の全貌を示している。

今後の課題

本件は、北朝鮮のスパイ活動が日韓の緊張を高める手段として利用されている現実を浮き彫りにした。韓国政府と国際社会は、北朝鮮の情報工作を封じるための対策を一層強化する必要があるだろう。

この事件を通じて、北朝鮮の工作活動の巧妙さと影響力が改めて注目されている。

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