ウクライナ政府と軍関係者は、ロシア西部クルスク州でのウクライナ軍との戦闘に従事する北朝鮮兵士たちが、手りゅう弾を顔の近くで爆発させ、自殺する事例が相次いでいると14日に明らかにした。この行為は、捕虜になることを避け、遺体が発見されても身元が特定されないようにするためと考えられる。
ウクライナ軍関係者によると、戦場で自殺した北朝鮮兵士はこれまでに20人近くに上るという。また、韓国情報機関によれば、北朝鮮兵の所持品から捕虜になる前に自決を命じるメモが発見されており、北朝鮮の指導部が参戦の痕跡を隠すために命令を出している可能性が指摘されている。
現場の証言と分析
前線で戦うウクライナ兵によると、北朝鮮兵士は銃弾を撃ち尽くしたり、負傷して退却が不可能になった場合、手りゅう弾で命を絶つことが多いという。また、場合によっては上官が兵士を処刑するケースもあるとされ、ウクライナ政府当局者は「これらの行為は北朝鮮指導部の命令に基づくものとみられ、洗脳の一環だ」と分析している。
さらに、戦場では顔が焼かれた遺体が発見される事例が複数報告されており、北朝鮮兵士が組織的に身元を隠す行動を取るよう指示されている可能性が浮上している。
国際的な反応と課題
ウクライナ当局は、北朝鮮軍が戦場での捕虜回避を目的とした自殺を組織的に命令しているとみており、この問題は北朝鮮の国際的な孤立と戦争犯罪に対する新たな懸念を呼び起こしている。戦場での悲劇が明らかになる中、国際社会からは北朝鮮の行動に対する非難が高まるとともに、人権問題としての議論が深まると予想される。
