米国人解放で対ロ関係改善の兆し トランプ氏、停戦仲介に意欲

米政府は11日、ロシアで拘束されていた米国人男性マーク・フォーゲル氏が解放されたと発表した。これは、トランプ政権がロシアとウクライナの停戦実現に向けた働き掛けを強める中での動きであり、ロシアのプーチン政権との信頼醸成につながる可能性がある。

トランプ米大統領は同日、ホワイトハウスで記者団に対し、「ロシアから非常に友好的な扱いを受けた」と発言。「戦争を終わらせることができる関係の始まりとなることを望む」と述べ、対ロ関係の再構築に意欲を示した。

ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)は声明で、「ロシアの誠意の表れであり、ウクライナでの悲惨な戦争を終わらせるために正しい方向へ進んでいる証しだ」と評価した。

フォーゲル氏の解放交渉には中東問題担当のウィトコフ米特使が関わり、彼を伴って空路でロシアを出国した。フォーゲル氏は11日夜にも帰国する予定だ。米側が拘束しているロシア人の解放に応じたかどうかは明らかになっていない。

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、米高官の訪ロが明らかになったのは2021年11月以来である。当時はウクライナ侵攻を阻止するため、中央情報局(CIA)のバーンズ長官がモスクワを訪れていた。今回の米ロ協議の詳細は不明だ。

フォーゲル氏はモスクワで教師をしていたが、2021年8月にロシアの空港で大麻を所持していた疑いで拘束された。翌年6月には懲役14年の有罪判決を受け、収監されていた。米国務省は2024年12月にフォーゲル氏の拘束を「不当」と認定していた。

今回の解放が米ロ関係の改善につながるのか、またウクライナ停戦交渉にどのような影響を与えるのか、今後の動向が注目される。

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