五輪メダリストも輩出してきた山梨学院大学レスリング部で、10代の男子部員が大麻成分を含むとされるクッキーを摂取後、寮の2階から飛び降り、頭部骨折などの重傷を負っていたことが分かった。
大学および捜査関係者によると、部員3人がインターネットで問題のクッキーを購入し、うち1人が男子部員に声をかけて2人で5月初旬に摂取。約3時間後に男子部員が寮の2階から転落し、その後も再び飛び降りようとしたところを周囲が制止した。
販売サイトには、クッキーに「高揚作用がある」とされる大麻由来成分「カンナビノイド」の一種が含まれている旨が記載されており、「合法」とも強調されていた。購入部員は大学側の聞き取りに対し、「SNSで著名人が紹介していて興味を持った」と説明した。
山梨県警の調べでは、クッキーから違法成分は検出されなかったものの、厚生労働省の麻薬対策課は「合法とされる製品でも意識障害を引き起こす危険がある」として、安易な摂取に警鐘を鳴らしている。
大学は、関与した4人の部員を一定期間の公式戦出場自粛とした。山梨学院大レスリング部は昨年の全日本大学選手権で団体優勝し、国際大会出場選手も多く輩出している名門チーム。今回の事態は、競技団体や大学スポーツ界にも大きな波紋を広げそうだ。
