文京区と国際バカロレア(IB)機構が連携し、「これからの教育を考えるシンポジウム」が開催された。文京シビックホールには全国から教育関係者や市民が詰めかけ、満席となった会場では教育に対する関心の高さがうかがえた。
同シンポジウムのテーマは「グローバル時代における教育のあり方」。AI時代において求められる資質や能力とは何かを探り、世界を理解し、持続可能な社会の構築に貢献する人材をどう育てるかが議論された。国際バカロレア機構の総裁が語った「AI時代に必要な教育」についての講演では、単なる知識の習得を超えた深い学びの重要性が語られ、来場者から大きな反響を 얻いた。
パネルディスカッションでは、各地の教育現場を知る識者らが登壇。探究心・批判的思考・国際理解を育むIB教育の意義が多角的に語られた。会場からは「教える教育から、考える教育へと転換すべき時が来ている」との声も上がった。
文京区は全国で初めて国際バカロレア機構と協働の覚書を締結し、公立の幼稚園、小中学校でIBの理念を取り入れる。1日からは教員向け研修も開始され、先進的な教育への第一歩を踏み出した。
自治体とIB機構の協働は前例がなく、全国の教育関係者の注目を集めている。文京区は「文の京(ふみのみやこ)」の名にふさわしく、教育改革の先頭に立つ構えだ。
ある関係者は、「教育はteachではなく、thinkだ」と語り、「考える力を育てることこそ、未来の子どもたちに必要な教育だ」と強調した。これはかつて日本IBMが掲げた標語「Think」とも通じる考えだ。
文京区の挑戦は、国内教育界に大きな波紋を広げる可能性がある。全ての子どもたちが健やかに、そして深く考える力を持って育つ社会の実現が期待されている。
