美術家・森村泰昌による特別展「ノスタルジア、何処へ。」が令和7年秋、大原美術館を舞台に開催される。会場は本館、有隣荘、児島虎次郎記念館の3カ所にわたり、美術・文学・音楽を交差させる試みとして注目を集めている。
森村は長年にわたりセルフポートレイト作品を通じて「私とは何か」を問い続けてきた作家であり、国内外で高い評価を受けてきた。本展ではその探究の延長線上に位置づけられる新たな表現が披露される予定だ。展示のテーマである「ノスタルジア」は、単なる過去への回帰ではなく、現代に生きる個人の記憶や感情を照射し、観客に新たな思索を促すものとなる見通しだ。
今回の特別公開は、有隣荘の歴史的空間をはじめ、大原美術館全体を横断する形で展開される。美術作品に加え、文学的要素や音楽的演出が加わることで、従来の展覧会形式を超えた総合芸術体験を提供する。主催者側は「美術と他ジャンルの境界を越えることで、観客一人ひとりが自らの『私』を見つめ直す契機になれば」と期待を寄せている。
展覧会の詳細情報は大原美術館の公式ホームページで公開されており、今秋の芸術シーズンを彩る大きな企画として注目が集まっている。
