2025年10月4日、自民党総裁選の決選投票で高市早苗が勝利した。日本は今、憲政史上初めて女性首相を迎えることになる。長く続いた政治の慣習に風穴が開いた瞬間である。
私は日本で長く暮らす外国人として、そして女性として、この出来事を心から歓迎したい。正直なところ、こんなに早く日本に女性の首相が誕生するとは思っていなかった。日本社会で女性の政治的・社会的地位がこれほどまでに上がるとは、ほんの数年前までは想像もしなかった。だからこそ、この結果は単なる政治のニュースではなく、日本社会全体の変化の“信号弾”だと感じている。
高市氏は東大出身でもなければ、いわゆる世襲政治家でもない。それでも自民党の総裁という頂点に立った。これは、日本が「出身」や「性別」よりも「能力」と「信念」を評価する方向へと少しずつ進み始めた証である。女性の政治参画が当たり前になる未来を、この当選が現実のものとして見せてくれた。
もちろん、課題は山積している。ジェンダー平等、働き方、育児支援、賃金格差、そして女性が意見を自由に表明できる社会環境——これらをどう進めていくかは、新しい首相である高市氏のリーダーシップにかかっている。だが今は、その出発点を祝福したい。
私はこの歴史的な転換を、心から歓迎する。女性が首相になるということは、単に女性のためだけでなく、日本という国全体が成熟し、開かれた社会へと進む第一歩である。私はこの変化を確信をもって“日本の新しい夜明け”と呼びたい。
ソン ウォンソ(Wonsuh Song, Ph.D.)
秀明大学 専任講師 / NKNGO Forum 代表
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