先週末、日本各地が「韓国」に染まった。東京ドームではBIGBANGのリーダー、G-DRAGONのソロコンサートが開かれ、さいたまスーパーアリーナでは人気グループSEVENTEENのファンミーティングが行われた。二日間で6万人を動員した会場は大いに盛り上がったという。そして何より注目を集めたのは、千葉県幕張メッセで開催された「KCON JAPAN 2025」である。2012年の初開催から世界14か国を巡り、今回までに累計約200万人の来場者を記録してきたというのだから、そのスケールには驚かされる。
KCON JAPANの会場は、まさに韓国文化を丸ごと体感できる総合パッケージであった。化粧品や食品、ファッション、アクセサリーなど、生活全般を彩るブランドが多彩に並び、来場者はサンプルやグッズを手にしながら一日中楽しんでいた。アイドルや新人アーティストのライブも絶えず行われ、音楽とファンの歓声が響き渡る空間は、にぎやかさを通り越して“熱狂”と呼ぶにふさわしい。
G-DRAGONのコンサートもまた盛況を極めた。独特のファッションを模倣しようとスカーフを巻き、衣装を真似るファンが目立ち、性別を問わず多様なスタイルで楽しむ姿が印象的であった。SEVENTEENのファンミーティングも同様に成功を収め、昨年の東京ドーム公演に続き多くの日本ファンが駆けつけたという。
こうした盛り上がりは、韓国大衆文化が日本社会に少しずつ浸透していることを改めて実感させる。特にKCONの累計来場者数200万人という数字は、今なお世界的な韓流ブームがあるどころか、さらに拡大していることを示唆するものといえよう。
一方で、日本に対する韓国人の関心も引けを取らない。2024年に日本を訪れた韓国人旅行者は約882万人に達し、国籍別の訪日外国人数で最多となった。これは日韓の文化・観光交流が過去最大規模にまで広がっていることであり、単なる一方通行のブームではなく、互いの文化を楽しみ合う双方向の動きが定着しつつあるといえる。
政治や外交がいざこざの種になることはあっても、一般市民レベルの交流には勢いがある。日本で韓国のドラマやK-POPを愛するファンが増えれば、自然と韓国語や韓国文化に親しむ人も増える。同様に、日本を訪れる韓国人も現地ならではの食や風景、雰囲気を味わいながら日本への理解を深める。互いの魅力を素直に認め合うことで、両国の関係はより豊かになるはずである。
より多くの人々が互いの文化に関心を寄せ、イベントを楽しみ、共感を広げていくことで、日韓関係は自ずと成熟していくであろう。今後は両国が文化的な共有をさらに深め、親密さと理解の度合いを一段と高めていくことを期待したいものである。
ソン ウォンソ(Wonsuh Song, Ph.D.)
秀明大学 専任講師 / NKNGO Forum 代表
