作家・金石範（キム・ソクポム、1925〜2020）の生誕100周年を記念するシンポジウムが、11月29日（土）午前10時から大阪公立大学森ノ宮キャンパス（11階・1101号室）で開かれる。参加は無料で、事前登録が必要だ。
金石範は済州島四・三事件を題材にした長編小説『火山島』で知られ、在日朝鮮人文学の中核的存在として評価されている。幼少期を大阪市東成区から生野区にかけての猪飼野地域で過ごし、在日社会の現実を文学に刻んだ。作品は日本語で書かれながらも「植民地・分断・亡命」という主題を貫き、戦後日本文学にも大きな影響を与えた。
今回のシンポジウムでは、「四・三」と在日朝鮮人集落、「日本語文学」の問題を軸に議論が展開される予定で、講演・報告者には金時鐘、伊地知紀子、鄭栄桓、高橋梓、中里久弥の各氏が名を連ねる。総合討論には呉世宗氏が討論者として参加する。
主催は大阪公立大学大学院文学研究科文化構想学専攻と金石範生誕100年記念シンポジウム実行委員会。協力は大阪コリアタウン歴史資料館、後援は同大学文学研究科。会場は大阪市城東区森之宮2丁目1番132号。大学公式サイトの登録フォームから申し込みが可能で、参加者は当日受付で本人確認を行う。
