公益社団法人韓国教育財団が主催する「2025年第2回 韓国学レクチャーシリーズ」が11月29日、東京都千代田区の帝京大学霞が関キャンパスで開催される。今回のテーマは「植物とのかかわりからみる朝鮮王朝の歴史」。植物を切り口に、朝鮮王朝の社会構造や文化的背景を再考する内容だ。
講師を務めるのは、朝鮮王朝史研究で知られる辻大和・東京大学東洋文化研究所准教授。対外貿易や明清交替期の東アジア国際関係史を専門とし、朝鮮王朝の外交・経済・社会の実態を文献資料から精密に分析してきた研究者だ。
講演では、王宮の庭園に植えられた樹木、宮中儀礼に欠かせなかった植物、庶民の食生活を支えた作物、薬用として重視された草木などを題材に、植物が果たした役割を多角的に紹介する予定だ。植物の管理や利用のあり方をたどることで、身分制度、税制、自然観、さらには国際交流までを読み解く構成になるという。
主催者は、朝鮮史や東アジア史に関心がある層だけでなく、植物・園芸、韓国文化に関心をもつ一般参加者にも開かれた講演として準備を進めている。生活文化に根差した視点から歴史をとらえ直すことで、従来とは異なる朝鮮王朝像を提示する狙いだ。
開催日は11月29日土曜日。開場は13時30分、講演開始は14時。会場は帝京大学霞が関キャンパス(東京都千代田区平河町2-16-1 平河町森タワー9階)。席数に限りがあるため、事前登録制で参加を受け付けている。
韓国教育財団は、在日コリアンと日本社会の相互理解を深める目的で、韓国学レクチャーシリーズを継続的に実施しており、今回の講演もその一環として位置づけている。
