大阪で高校無償化を問う弁護士フォーラム開催…大阪地裁勝訴判決の意義を再確認

大阪朝鮮中高級学校で11月22日、「朝鮮学校を支援する全国弁護士フォーラム2025大阪」が開かれ、無償化裁判に関わった弁護士や同胞、日本市民ら約500人が参加した。主催は実行委員会、協賛は朝鮮高級学校無償化支援を求める連絡会・大阪。今回のフォーラムは、2017年の大阪地裁勝訴判決を軸に無償化除外問題を再検証し、民族教育権の制度的保障を実現するための方策を探る場として4回目を迎えた。

会場では判決当日の映像が上映され、学生の歓喜や支援者の涙が再現されると、多くの参加者が当時の空気を思い返した。無償化裁判は全国5ヵ所で争われたが、勝訴は大阪地裁のみで、控訴審を含め最終的にはいずれも敗訴。司法が差別を容認したとする批判が改めて示された。

大阪弁護団長の丹羽雅雄弁護士は大阪地裁判決について、下村文科相による「規定ハ削除」が政治的判断に基づく違法行為と認定された点を強調した。また、朝鮮学校の母語教育・歴史教育について「民族的自覚と自尊心を育む基礎教育」と判断した意義を指摘し、国際人権機関の勧告や脱植民地主義の潮流とも整合する内容だったと述べた。丹羽弁護士は「民族教育権の保障は、加害の歴史の清算であり平和構築の基盤になる」とし、広範な連帯形成を呼びかけた。

続く講演では、金英哲弁護士が大阪無償化裁判の経緯を説明し、国側が教育基本法16条を持ち出し朝鮮学校のイメージ失墜を図った過程を振り返った。申惠丰青山学院大学教授は無償化法と国際人権法の観点から制度排除の問題性を論じ、前川喜平元文部科学事務次官は無償化立法の背景を語った。

パネル討論では、元裁判官の岡口基一氏が登壇し、国が示した排除理由を「こじつけ」と断じたうえで、大阪地裁判決を下した裁判官の職責意識を評価した。岡口氏は裁判官任命権が内閣にある構造を問題視し、日本司法が三権分立を十分に果たせていない現状を指摘した。

フォーラム終盤には無償化連絡会・大阪の藤永壮氏が発言し、「高校無償化は外国人への恩恵ではなく国際人権規約に基づく当然の権利」と強調した。外国人学校排除の発想そのものが差別の根源であり、植民地主義的態度の是正が不可欠だと訴えた。

無償化連絡会・大阪は府庁前行動を639回続けており、幼保無償化を求める活動も継続している。フォーラムでは司法書士会による朝鮮学校差別の実態報告も行われ、来年の全国弁護士フォーラムは福岡で開かれる予定だ。

Reporter

Reporter

コメントを残す

ウィークリーニュースジャパンをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む