2,200円のデニムパンツが問いかけるもの―ファストファッションの裏側にある代償を考える―

日本の若い女性たちに人気があるオンラインショッピングサイトQoo10は、韓国のファッションや化粧品、食品を手頃な価格で購入できるプラットフォームとして知られている。特に韓国文化に興味を持つ消費者が多く利用しており、割引クーポンやプロモーションを活用すれば、驚きの価格で商品を手に入れることができるのが魅力である。

筆者も先日、このQoo10で2,200円のデニムパンツを購入した。品質は十分満足のいくものであり、配送もスムーズであった。しかし、このデニムパンツが消費者である自分の手元に届くまでの過程を考えたとき、いくつかの疑問が浮かび上がった。

このデニムパンツは中国で製造され、韓国を経由して日本に配送されたものである。一着のデニムパンツが完成するまでには、綿花の栽培、糸作り、生地の生産、染色、裁断、縫製、ウォッシング加工といった多くの工程が必要である。これほど手間と資源がかかる製品が2,200円という価格で販売されている事実は、生産に関わった労働者や環境にどのような影響を与えているのかを考えさせられるものである。

「このデニムパンツを作った労働者たちは適切な報酬を受け取っているのだろうか」という疑問を抱いたことで、ファストファッション全体の問題が浮かび上がった。安価な商品を生産するために、多くの労働者が低賃金と劣悪な環境で働いていることは広く知られた事実である。

ファストファッションは消費者に安価で迅速な衣類を提供しているが、その裏には深刻な労働搾取と環境破壊が存在している。中国や東南アジアで製造される衣類は、多くの場合、低賃金の労働者によって生産されている。このデニムパンツのような商品が2,200円で販売される場合、生産に関わった労働者たちが受け取る報酬がどの程度のものであるかは想像に難くない。

さらに、環境への影響も深刻である。一着のデニムパンツを生産するためには、何千リットルもの水が使用されるほか、染色やウォッシング加工の過程で排出される化学物質が水質汚染を引き起こしている。また、生産地から消費地までの輸送過程では二酸化炭素が大量に排出されており、地球環境への負荷は無視できないものである。

これらの問題の中心にいるのは消費者である。安価さだけに目を向けるのではなく、購入する商品の背景にある生産過程や、その過程で誰がどのような犠牲を払ったのかを考える必要がある。

ファストファッションに依存する生活を見直し、持続可能な選択をすることが求められている。例えば、フェアトレード(公正取引)の仕組みを支持し、環境に配慮したブランドを選ぶこと。また、必要以上の買い物を控え、手持ちの服を大切に長く使うことが、消費者としての責任ある行動である。

ファストファッションは便利で手軽な選択肢を提供してくれるが、その背景には労働者の犠牲や環境破壊といった代償が隠されている。2,200円のデニムパンツが私たちに問いかけているのは、単なる価格の問題ではない。それは、私たちがどのような価値観のもとで消費を行い、どのような未来を目指すべきなのかを問うものである。

次に買い物をするとき、「この商品がどのように作られ、どのような影響を与えているのか」を考える機会を持ってほしい。消費者一人ひとりの意識が変われば、社会全体の変革につながる可能性がある。

便利さに隠された犠牲を忘れず、持続可能な未来を目指す選択をすること。それこそが、私たちが考えるべき「本当のコスト」である。

ソン ウォンソ

秀明大学学校教師学部 専任講師

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