新学期初日、教室の扉を開けた瞬間に教師の運命はほぼ定まる。期待と緊張が入り混じる空気の中、生徒の視線は「この人物に従う価値があるか」を計測する。ここで躊躇すれば主導権はたちまち生徒側へ移り、その後の授業は正当な評価を得にくくなる。
体格や文化、言語において弱みと見なされやすい教師にとって第一印象の重さはさらに大きい。見慣れぬ外国人女性教員であればなおさら、教室に足を踏み入れた一歩目で自らの存在感を鮮明に示す必要がある。圧倒的な実力と揺るぎない自信が融合するとき、生徒は自然に姿勢を正し耳を傾けるのである。
実力とは教科知識を超える概念である。核心を抉り出しつつ予想外の事例やデータを提示すれば、生徒は「教師は自分より上位だ」と直感する。教材が完全に頭に入っていれば台本を読む必要はなく、眼差しが教室を縦横に貫き、Z 字を描いて全員と交差する。
しかし実力のみでは足りない。カリスマは声の響き、端正な服装、そして的確な所作によって形成される。今日の教師は自身をブランドとして磨く必要がある。小粋なジョーク、即興クイズ、短いアクティビティを緻密に配置すれば、教室は小劇場と化し、面白さが権威を堅固に固定する。
授業は情報伝達の枠を超え、生徒の人生を変えるプラットフォームとなる。生活指導や葛藤調停、価値観の醸成までが教師の役割である。この使命への誇りこそがカリスマの源泉であり、教師という職業の崇高さである。
新人教師諸氏よ、初回授業に全力を注げ。 卓越した実力と自信で権威を確立し、面白さと人間味で生徒の心を掴め。一度道を開けば、教権が揺らぐ時代にあっても、あなたの教室は学びと尊敬が共存する聖域であり続ける。
ソン ウォンソ(Wonsuh Song, Ph.D.)
秀明大学 専任講師 / NKNGO Forum 代表

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