高市早苗首相は首相官邸で、京都大学iPS細胞研究所名誉所長の山中伸弥教授と会談し、iPS細胞研究の現状と今後の再生医療の発展について意見を交わした。会談では、研究開発から実用化までを一体的に推進するため、大学、研究機関、企業が連携する「オールジャパン体制」の重要性を確認した。

高市首相は、山中教授がiPS細胞の作製を発表してから20年となる今年3月、iPS細胞技術を活用した再生医療等製品が初めて薬事承認されたことを歓迎した。承認された製品は、パーキンソン病と虚血性心筋症による重症心不全を対象としており、治療法が限られていた患者に新たな選択肢をもたらしたと評価した。

高市首相は、「山中教授と研究チーム、関係者が研究を止めることなく積み重ねてきた努力の成果であり、治療法のなかった患者に希望を届けることができたことを大変うれしく思う」と述べ、長年にわたる研究開発への貢献に謝意を示した。

山中教授は、iPS細胞研究について「マラソンで言えば、まだ中間地点」と説明し、10年後、20年後の次世代再生医療の実現に向けて、大学、研究機関、企業が一体となった研究開発体制の構築が不可欠だと強調した。また、基礎研究、臨床試験、実用化まで各段階で存在する課題を克服するとともに、民間投資と政府支援の双方が日本の研究開発を支える重要な柱になるとの認識を示した。

高市首相は、政府がこれまで基礎研究から応用研究、製造技術開発、創薬スタートアップ支援まで省庁横断で取り組んできたと説明。その取り組みをさらに強化するため、先週閣議決定した「日本成長戦略」において、「創薬・先端医療」と「合成生物学・バイオ」を17の重点戦略分野の一つに位置付けたことを紹介した。

さらに、公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団などが参画する「創薬クラスター・キャンパス」を推進し、大学、研究機関、企業、スタートアップ、支援機関が集積する拠点整備を進めることで、再生医療分野の研究開発と実用化を加速させる方針を示した。

高市首相は、「日本成長戦略に基づき、大学と産業界の連携を一層強化するとともに、スタートアップ支援を大胆に進め、日本の再生医療・バイオ産業の国際競争力向上につなげていく」と強調した。

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