生成AIが東京大学の2025年度入学試験を解いた結果、最難関とされる理科3類の合格最低点を上回ったことが明らかになった。AI開発を手掛けるライフプロンプト（東京）が5日に発表した。
AIは大学入学共通テストと東大の2次試験前期日程の問題に挑戦。米オープンAIの「o1（オーワン）」と中国のスタートアップ・DeepSeekの「R1」を使用し、問題を画像データとしてAIに入力。記述式を含む2次試験は、予備校・河合塾の講師が採点を担当した。
結果、550点満点中「o1」は理系で374点を獲得し、東大が公表する理科3類の合格最低点（368点）を上回った。文系でも379点を記録し、文科1類～3類の最低点（336点）を大きく超えた。
AIは英語では安定した成績を示した一方で、数学や国語には弱点が見られた。物理の複雑な問題は高精度で解答したが、世界史では人間なら避けられるミスも確認された。各科目の解答所要時間は2～60分と、試験時間を大きく下回った。
ライフプロンプトは今回の結果について「AIの論理的思考や情報処理能力の進化を示す一例」とし、今後の教育分野への応用可能性にも言及している。
