安倍晋三（1954年9月21日 – 2022年7月8日）は、日本の政治家。東京都新宿区出身。位階は従一位。勲等は大勲位。成蹊大学法学部卒業。
内閣総理大臣（第90・96・97・98代）、内閣官房長官（第72代）、内閣官房副長官（政務担当）、衆議院議員（10期）、自由民主党総裁（第21・25代）、自由民主党幹事長（第41代）、自由民主党幹事長代理、清和政策研究会会長（第10代）を歴任した。
妻は安倍昭恵。祖父は安倍寛、岸信介。大伯父に佐藤市郎、大叔父に佐藤栄作。父は安倍晋太郎。叔父に西村正雄。母は安倍洋子。兄に安倍寛信、弟に岸信夫。甥に岸信千世がいる。
安倍は2016年にドナルド・トランプが米大統領に当選すると世界の首脳に先駆けて訪米し、緊密な関係構築に乗り出した。トランプの就任前からゴルフを通じた「ゴルフ外交」を展開し、個人的な信頼関係を深めて米日関係の基盤を固めた。
2019年、トランプを日本に国賓として招待し、新天皇との会見や相撲観戦、護衛艦「かが」の訪問など特別な外交演出を通じて両国の親密ぶりを内外に示した。
一方、トランプ政権の「アメリカ第一主義」に基づく対日圧力には抵抗が弱く、貿易交渉では農産物の関税引き下げや軍事費負担の拡大、米国製兵器の大量購入を容認する形となった。安倍外交の限界と課題が指摘される背景となっている。
2020年のトランプ政権末期には、外交的・経済的な圧力が強まったが、安倍政権は具体的な反論や対策を打ち出せず、その対応力不足も露呈した。安倍の対米外交は、「個人的信頼関係」をベースにしたトップダウン方式の可能性と限界の両方を示したと評価される。
安倍は2022年7月8日、奈良市内での街頭演説中に暗殺され、波乱に満ちた政治人生を閉じた。現在、石破茂首相のバイデン政権に対する対米外交が安倍時代とどのような違いを示すのか、改めて注目が集まっている。
