文部科学省が、国公私立大学の学部ごとに教育の質を評価する新たな制度の導入を検討していることが分かった。学生の成長や卒業後の成果などを基準に、最高評価の「三つ星」から「要改善」までの4段階で評価する仕組みで、評価結果は受験生向けに公開される。低評価となった大学には助成金の減額などの措置を検討している。
制度は、大学入学後の教育による学生の成長を重視する点が特徴となる。大学が学部ごとに設定した卒業時の到達目標を基準に、授業成績などの学修成果、教育への満足度や成長実感に関する学生調査、就職率などの指標を用い、第三者機関が総合的に評価する。
教育成果に応じて三つ星から一つ星までを付与し、法令で定める最低水準にも達していない場合は「要改善」と判定する。評価結果はウェブサイトなどで公表され、受験生が大学や学部ごとの教育内容を比較できるようにする方針だ。
また、評価結果は財政支援にも反映する方向で検討が進んでいる。高い評価を得た大学には国からの助成金を増額する一方、「要改善」とされた大学には助成金の減額などのペナルティーを科す可能性がある。
文部科学省は来年以降の国会で学校教育法の改正を目指し、2030年ごろから新制度による評価を開始する方針だ。評価は全国の大学を6年間で一巡する形で実施され、18歳人口が100万人を下回る急減期に入るとされる2035年には、すべての大学の評価結果がそろう見通しとなっている。
日本では少子化の進行により大学を取り巻く環境が急速に変化している。総務省の推計では、18歳人口は2026年時点で約109万人だが、2040年には約74万人まで減少すると見込まれている。中央教育審議会は大学の規模適正化とともに、教育研究の質向上や地方における教育機会の確保を求めている。
